検証日:【2026年8月13日】/環境:Cursor(バージョン:【 3.15.19 】)
「新しいモデルが出た」と聞いても、結局知りたいのはそれで何が作れるのかだけだと思います。
そこで今回は、CursorにGrok 4.6を追加して、たった1回のプロンプトで皆既日食のアニメーションを作らせてみました。検証というより「使ってみた」記録ですが、出力されたものを見れば、このモデルの立ち位置はだいたい伝わるはずです。
Grok 4.6とは

xAIが2026年8月12日に公開した最新モデルです。
公式発表記事はこちらから:Introducing Grok 4.6 | SpaceXAI
前世代のGrok 4.5を土台に、長時間にわたるエージェント作業と、インタラクティブでビジュアルな成果物の2点に狙いを定めて強化されています。
公式の説明を要約すると、想定されている使い方はこうです。
- トピックのリサーチと情報の分析
- コードベース全体にまたがる作業
- アイデアを、洗練されたアプリケーションや成果物に変換する
Tomoyaいずれも「1回のやり取りで終わらない、多段階のタスク」です。
単発の質問応答ではなく、工程が長い仕事を途中で息切れせずに走り切ることに主眼が置かれたモデルだと理解しておくと、使いどころを外しません。
どう訓練されたのか
技術的な詳細は公式ブログに譲りますが、押さえておくと納得感が変わるポイントだけ挙げます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 事前・補助学習 | Grok 4.5より長い補助トレーニング。推論・高度な技術概念向けに厳選されたデータと高品質なエンジニアリングデータを投入 |
| SFT(教師ありファインチューニング) | Grok 4.5でSFTの軌跡を再生成し、モデルベースのチェックで問題のある軌跡を除外 |
| RL(強化学習) | 一般的なコーディング、カーネル最適化、Web開発、CADなど、ドメイン固有の環境で幅広くエージェント的RLを実施 |
注目したいのはWeb開発がRLの対象ドメインに明記されている点です。今回のようにHTML/CSS/JSで完結する成果物を作らせる用途は、モデルが訓練を受けた領域にそのまま重なります。
- SFT(Supervised Fine-Tuning/教師ありファインチューニング)
-
「この質問にはこう答えるのが正解」というお手本のセットを見せて覚えさせる工程です。人が教科書を写して型を身につけるのに近いイメージです。
Grok 4.6ではこのお手本をGrok 4.5自身に作らせ、さらに「これは筋が悪い」と判定された手本を機械的に捨ててから学習させています。
師匠が作った問題集から、質の低い問題を抜いて渡した、というイメージです。
- RL(Reinforcement Learning/強化学習)
-
お手本を写すのではなく、実際にやらせてみて、うまくいった行動にご褒美を与えるやり方です。練習試合を繰り返して勝ち筋を覚えるのに近いイメージです。
Grok 4.6では、これを「エージェント的RL」として実施しています。
つまり1問1答ではなく、調べる → 書く → 動かす → 直すという一連の作業をまるごとやらせて、最終的にちゃんと動いたルートを強化しています。
公式が「特に優れている」としている領域
xAIは、Grok 4.6の性格を次のように説明しています。
広範な製品アイデアを、動作する最初のバージョンに変えることに特に優れている。未知のドメインを調査し、アプリケーションを構造化し、コアなインタラクションを実装し、複数回のフィードバックを通じて洗練させていく。
さらに重要なのがこの一文です。
Grok 4.6は、Grok 4.5よりも視覚的・インタラクティブなプロジェクトにおいて、より強力なファーストパスを生み出す。具体的な製品アイデアがあれば、一度のパスでアプリケーションの構造とビジュアル言語を確立できる。
つまり公式自身が、「まず実質的なものを一発で出させて、そこからループで回す」使い方が最速ルートだと言っています。
加えて、長い工程ではモデルが自分の作業を自己検証する挙動が増え始めたとも報告されています。
この記事でやろうとしている「1プロンプトで皆既日食アニメーションを作らせる」は、まさにこのファーストパスの強さを確かめる検証です。公式の主張が手元で再現するのかどうか、という視点で読んでいただければと思います。
安全性について
安全装置もモデル性能に合わせて調整されており、xAIによればこれまでで最も広い範囲の展開前テスト(能力とセーフガードの校正)に加え、展開後テストと第三者テストも実施されています。脆弱性のパッチ適用やエンジニアリング設計サイクルの加速といった正当な用途で有用性を最大化する設計、という位置づけです。
比較評価や比較指標に関しては公式を参照してください:Introducing Grok 4.6 | SpaceXAI
Cursorでの料金
Grok 4.6は、Cursorの個人プランおよびチームプランのモデルプールに含まれます。
※同じプールにはGrok 4.5とComposer 2.5も入っています。
オンデマンド利用時の料金は以下のとおりです(すべて100万トークンあたり)。
| モデル | 入力 | キャッシュ読み取り | 出力 |
|---|---|---|---|
| Grok 4.6 | $2 | $0.5 | $6 |
| Grok 4.6 (Fast) | $4 | $1 | $12 |
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TomoyaFastバリアントは単純に2倍の価格設定です。
今回のように成果物を1回作らせて眺めるだけの用途なら、通常版で十分です!
応答を待つ時間そのものがボトルネックになる作業(長時間のエージェント実行を何度も回す等)に限ってFastを検討する、という切り分けが素直だと思います。
なお、今回の検証で実際に消費したトークンは
合計46.9万(入力16.5万・キャッシュ読み取り27.8万・出力2.6万)で、費用は約$0.63でした。
ローンチ割引の50%が効いている期間なら約$0.31、日本円にして50円前後です。
Tomoya1プロンプトで完成品が1つ出てくることを考えると、コーヒー1杯より圧倒的に安い水準で試せます。

以下のリンクから月額プランを契約すると、初月は半額で利用できます。コストが心配な方でも、最初の1か月は最低10ドルから試せるので、気軽に始めやすいと思います(解約も簡単にできます)。
CursorにGrok 4.6を追加する
すでにCursorのモデル一覧に載っている場合は、トグルをONにするだけです。
TomoyaAPIキーの発行も不要です。
手順
- Cursorを最新版にアップデートする
- Cmd + ,(Windowsは Ctrl + ,)で Cursor Settings を開く
- 左メニューの Models を選択
- 一覧から grok-4.6 を探し、トグルをONにする
- チャット画面に戻り、入力欄下のモデルセレクタから選択する


一覧に出てこない場合
Cursorのバージョンが古いと表示されないことがあります。アップデート後、Cursorを一度再起動してください。
所要時間は1分。ここは誰でも詰まらないので、本題に進みます。
実証:1プロンプトで皆既日食アニメーションを作らせる
なぜ皆既日食を選んだか
天体アニメーションは、AIモデルの実力が出やすいお題です。
また、この検証を行った日は、スペインで「皆既日食」が起こったのもトレンドに乗っかろうと思い採用しました。
論理的な数学を知識として持っていないと複雑なアニメーションに採用できない事です。以下のようなポイントが鍵になってきます。
- 物理的な位置関係を理解していないと成立しない(太陽・月・地球の重なり)
- 時間変化の設計が必要(部分食 → 皆既 → 復円)
- 光の表現という曖昧な要求を解釈する力が問われる(コロナ、ダイヤモンドリング)
- 正解画像を知っている人が多く、ごまかしが効かない
Tomoyaつまり「言われたことをやる」だけでは形になりません。
投げたプロンプト

追加の指示、修正依頼、エラー修正は一切していません。この1回だけです。
出てきたもの
最終報告内容:


見てわかったこと
良かった点
- 月がまん丸ではなく実際の形に合わせてガタガタしている。
- 丁度、太陽が月に隠れる皆既日食の瞬間にコロナが漏れ出す表現が秀逸だった。
- 隠れる流れに応じてバックグラウンドも徐々に色を変えている。
- 皆既日食で終わりではなく一連の流れで表現しているので実際に見ている時のように感じた。
物足りなかった点
- 食の進行速度が一定で、実際の天文現象より速い
- 周囲の空が暗くなる演出がなかった
- スマホ表示で見切れる
指示していないことまで勝手に良い方向へ決めてくれるのが、今回いちばん驚いたところでした。
Tomoya「コロナを描いて」とは書いていないのに描かれている。
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どのレベルのプロダクトが作れそうか
今回の1件から言えるのは、この程度までは1プロンプトで到達するということです。
| 作れそうなもの | 到達度 |
|---|---|
| 教材・解説用のアニメーション | そのまま使えるレベル |
| LPのヒーローセクションの動く背景 | 微調整すれば使えるレベル |
| ポートフォリオ用のデモ作品 | ほぼそのまま使えるレベル |
| 物理シミュレーションの簡易版 | たたき台として十分 |
逆に、厳密な数値精度が求められるもの(実際の天体暦に基づく計算など)は、追加の指示と検証が前提になります。今回の日食も「見た目として正しい」レベルであって、天文学的に正確ではありません。
まとめ
- CursorへのGrok 4.6追加はトグルONだけ、1分で完了
- 皆既日食アニメーションは1プロンプト・修正ゼロで動くところまで到達
- 指示していない部分を妥当に埋めてくれるため、仕様が固まっていない段階の試作に強い
- 一方で、精度が要求される領域は人の検証が必須
Tomoya「モデルを切り替えるだけで、Cursorは別のツールになる」というのが今回の実感です。
ベンチマークの数字を追うより、手元のプロジェクトで1回投げてみたほうが早く理解できます。
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まずはこれを試してみてください
Cursorを開いてモデルをGrok 4.6に切り替え、この記事のプロンプトをそのままコピペしてみてください。5分で、あなたのブラウザで日食が起きます。
そこから「もっと暗くして」「音を足して」と雰囲気だけ伝えていく感覚が、Vibeコーディングの入口です。

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