前回までは「ノートPCに必要なW数や選び方」について解説してきました。
その中で何度も出てきた「USB-PD」という言葉。
「USB-Cと何が違うの?」
「100W対応の充電器にスマホを繋いだら、強い電気が流れて壊れたりしないの?」と不安に思ったことはありませんか?
今回は、充電器とスマホが裏で行っている「賢い会話」の仕組みと、USB-PDの誕生理由を分かりやすく解き明かします!
そもそも「USB-C」と「USB-PD」は全くの別物!
Tomoya先生!!
『USB-CのケーブルでPD対応』とかよく聞きますけど、
USB-CとUSB-PDって何が違うんですか?
チゲ先生ここ、一番混同しやすいポイントです!
一言でいうと『見た目の形』と『中身の仕組み』の違いです。
- USB-C: 差し込み口(コネクタ)の「形」の規格
- USB-PD(Power Delivery): そのコネクタを使って「どれくらいの電力を送るか交渉する仕組み」の規格
チゲ先生つまり『USB-Cの形をしているからといって、必ずしも大きな電力(100Wなど)を送れるとは限らない』ということなんです。
100Wの充電器を20Wのスマホに挿しても壊れない理由

Tomoyaなるほど!形と仕組みは別なんですね。
でも先生、もし100W出力できるPC用のUSB-PD充電器に、20Wまでしか対応していないスマホを繋いだら、100Wの電気がドカンと流れてスマホが壊れたりしませんか…?
チゲ先生結論から言うと、絶対に壊れません!
100Wというのは『強烈な電気を無理やり流し込む』という意味ではなく、『最大100Wまで出せる能力があります』という意味だからです。
Tomoya無理やり流し込むわけじゃない…?どういうことですか?
チゲ先生USB-PD対応の機器同士を繋ぐと、充電が始まる前に裏で『会話(ネゴシエーション)』が行われているんです。
私は 5V、9V、15V、20V(最大100W)まで出せますよ!
↓ (裏で会話中)
じゃあ、今回は 9V / 2.22A(約20W)でお願いします!
↓ (やり取り完了)
了解!20Wで給電を開始します!
チゲ先生このように、充電器と機器(スマホやPC)が話し合って、機器側が必要としている電力だけを給電する仕組みになっています。
だから大きなW数の充電器を使っても安心なんですよ。
なぜ「USB-PD」という仕組みが必要になったの?
Tomoya電気の会話ができるなんて、すごく頭が良いシステムなんですね!
でも、昔のUSBにはそういう仕組みはなかったんですか?
チゲ先生昔のUSB(USB 2.0など)は、そもそもマウスやキーボードを繋ぐためのもので、大電力を送る設計ではなかったんです(たったの2.5W程度)。
5V × 0.5A = 2.5W(データ転送のおまけレベル)
5V × 1.5A = 7.5W(スマホ充電用に拡張)
電圧(V)を上げて最大100W(最新規格では最大240W)へ!
チゲ先生ノートPCのような大きな電力を必要とする機器をUSBで充電するには、電流(A)を増やすのではなく電圧(V)を高くする必要がありました。
高い電圧を安全に扱うために、しっかりと条件を交渉する『USB-PD』という規格が生まれたんです。
第3回のまとめ
- USB-C=形の名前、USB-PD=安全に電力をやり取りする交渉システム。
- 100W充電器をスマホに挿しても、スマホが必要な分(20Wなど)しか流れないので安心。
- ノートPCなどの大型機器を充電するために、高い電圧(V)で交渉するUSB-PDが生まれた。
TomoyaUSB-PDの仕組みが分かって、高出力な充電器も怖くなくなりました!
第1回・第2回で教わった『W』や『Wh』の選び方と合わせて、これで有線充電はバッチリです!!
チゲ先生それは良かったです!
でも最近は、ケーブルを挿さない『ピタッとくっつくワイヤレス充電』も人気ですよね。
Tomoyaあ!
iPhoneの背中にくっつく『MagSafe』とか、最近聞く『Qi2(チー・ツー)』ですね!
あれって磁石で充電しているんですか?
チゲ先生実は『磁石で電気を送っているわけではない』んですよ。
次回は番外編として、MagSafeやQi2などのワイヤレス充電の面白い仕組みについて解説します!
👇 過去のおさらい&次回の記事はこちら!





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