「もう少し整えてから出したい……と思ううちに、
機能ばかり増えて、どこから手を付ければいいか分からない」
Tomoya先に答えます。
止まったら、まず止まりの型を1つ名指しし
「無くてもコアの一本道は通るか」で候補を切ります。
今週進めるのは、残ったMustの1本だけです。
完璧に整えてから動く必要はありません。切ったものは捨てずに「やらない/あとで」に書いて退避します。
読む時間は約8分です。表はそのままコピーして使えます。構想を仮説に落とす話や金額目標の立て方は扱わず、止まりの診断とスコープを削る手順に絞ります。
ポイントは次の3つです
- 止まりの型を1つ名指しします(機能過多/完璧待ち/削る基準なし)。
- 切り捨ての基準は「無くてもコアの一本道が通るか」。通るなら今は捨てます。
- 捨てたものは、やらないリストへ。今週進めるのはMustの1本だけです。
Tomoyaよく聞かれる点を、先に表にします。
| よくある質問 | 答え |
|---|---|
| 手が止まったら、何を切り捨てる? | 「無くてもコアの一本道が通るもの」から切り、やらないリストに退避します |
| 完璧にしないと出せない気がする | 理想ではなく「いまの現状」と比べます。コアが通れば、そこで止めてよいです |
| 切ったら品質が落ちない? | 落ちません。削るのは「やる範囲」で、作るものの丁寧さではありません |
「何から切るか」を決める横断の公式はありません。ここでは Basecamp の Shape Up と Linear Method の考え方を合わせて、ソロが止まったときの手順にしています。
核の手順。切り捨てて今週1本だけ進める
機能を全部作る週ではなく、
捨てる順を決めて、Mustを1本だけ動かす週と考えてください。
全体の流れは次の4ステップです。タイマーを置くなら30〜60分を目安に、1回の仕分けで止めます。
| # | やること | 終わったサイン |
|---|---|---|
| 1 | 止まりの型を1つ名指しする | 機能過多/完璧待ち/削る基準なし、のどれかがノートの先頭に書いてある |
| 2 | 候補ごとに「無くてもコアは通るか」を見る | すべての候補に Yes/No が付いている |
| 3 | Yes の候補を「やらない/あとで」へ移す | 退避先が一覧になっている |
| 4 | 残ったMustから今週1本だけ進める | その1本の次の一手が1行で読める |
型を名指ししないと、「なんとなく多い」のまま切る/残すの判断がぶれます。
基準がないまま候補を並べても、結局全部残します。退避先がないと、切ったつもりでも頭の中に戻ってきます。
Mustが複数残っても、今週進めるのは1本だけです。
| やりがちな飛ばし | 戻る場所 |
|---|---|
| 型を書かずに、機能を消し始める | ステップ1へ |
| 「全部必要」で Yes/No が付かない | ステップ2へ(コアの一文を先に書く) |
| 切ったが、どこにも書いていない | ステップ3へ |
| Mustが3つ並び、全部に手を付けた | ステップ4へ |
Tomoya試しに、いま止まっている候補リストを出して、上の表のどのステップまで進めるか数えてみてください。
止まったステップが、今日やる場所です。
止まりの型を名指しする。機能過多/完璧待ち/削る基準なし
止まっているときは、まず「何で止まっているか」を
1語で言える状態にします。
Tomoyaここが曖昧だと、スコープを削る話が「気合いで減らす」になってしまいます。
| 型 | 見え方 | 先にやること |
|---|---|---|
| 機能過多 | 候補が5つ以上並び、どれも「必要そう」 | 候補を全部書き、コアの一本道を1文で書く |
| 完璧待ち | 「もう少し整えてから出す」が何週間も続く | 理想ではなく、いまユーザーが我慢している現状と比べる |
| 削る基準なし | 切る/残すの理由が毎回気分 | 「無くてもコアは通るか」を唯一の問いにする |
わかりやすく言うと、止まりの型は「診断名」です。
薬を選ぶ前に、何の症状かを先に決める、という順番です。
手順は次の3つです
- 上の表から、いちばん近い型を1つ選ぶ
- 選んだ型を、ノートの先頭に1行で書く(例:「完璧待ち」)
- その型の「先にやること」だけ今日やる(他の型の対処は今週は触らない)
Shape Up(Basecamp)は、先にかける時間の上限を決め、時間は固定して、やる範囲のほうを調整する(固定の時間、可変のスコープ)と書きます。何が「良い」かも理想で決まるのではなく、制約や、いまの現状との比較で決まる、としています。
また、問題が1つに絞れていない「寄せ集め」の企画にも注意を促しています。「Files 2.0」のように「2.0」と名前が付いた企画は、その典型だそうです。ソロで機能の一覧だけが増えているなら、この寄せ集めに近い状態です。
| 条件 | 行動 |
|---|---|
| 候補が「改善」「リデザイン」だけで、中身がない | 困っている場面を1文にし、問題を1つに絞る |
| 「全部やりたい」が口ぐせ | かける時間の上限を先に書く(今週は何時間まで、など) |
| 型が2つ重なって見える | 今週は、影響が大きいほうの型を1つだけ名指しする |
完璧待ちの人ほど、「理想の完成形」を頭の中に持っています。
その完成形ではなく、ユーザーがいま使っている回避策と比べると、止めどころが見えやすくなります。

切り捨ての基準と捨てる順。「無くてもコアが通る」なら今は捨てる
型が決まったら、切り捨ての基準を1つに固定します。
ここで使う問いは、これだけです。
この候補が無くても、コアの一本道(ユーザーが困りごとを解消する最短の流れ)は通るか?
通るなら、今は捨てます。残すのは「無いと一本道が途切れる」ものだけです。
| 候補の判定 | 意味 | 今週の扱い |
|---|---|---|
| 通らない(Must) | 無いとコアが途切れる | 残す候補に入れる |
| 通る(今は捨てる) | 無くても一本道は動く | やらない/あとでへ |
| 判断できない | コアの一文がまだない | コアを1文書いてから判定し直す |
手順は次の4つです
- コアの一本道を1文で書く(誰が・何をして・どう助かるか)
- 機能の候補を表に並べる
- 各行に「無くても通るか」を Yes/No で付ける
- Yes を切る順の先頭に置き、No だけを残す
Yes/No で迷ったときの問い
Shape Up では、時間内に収めるためにスコープを叩いて削ることを「スコープ・ハンマリング」と呼び、次のような問いを並べています。
- これは本当に「必須」か
- これが無くても出せるか
- やらなかったら何が起きるか
- 新しい問題か、それともユーザーがすでに我慢している問題か
- その状況は、どれくらい起きやすいか
| 条件 | 行動 |
|---|---|
| 「あったらうれしい」が理由の候補 | Yes(今は捨てる)へ |
| 無いと、コアの画面にたどり着けない | No(Must)へ |
| ログイン方法を複数そろえたい | 一本道が通る最小(例:1つの方式)だけ残す |
| 見た目の磨き込みが止まらない | いまの現状と比べ、コアが通るなら「あると良い」に回す |
Shape Up では、「あると良い」作業は頭に「~」を付けて区別し、時間が余ればやる、足りなければ切る、という扱いにしています。ソロでも、候補名の前に「~」を付けるだけで、残す/切るが一目で分かります。

やらないリスト+今週Mustを1本だけ
切ったものを頭の中だけに置くと、翌日また全部戻ってきます。
退避先を先に作ります。
コピー用の表です。
| 候補 | 判定(通る?) | 退避(やらない/あとで) | 今週のMust? | 次の一手(1行) |
|---|---|---|---|---|
| Yes/No | はい/いいえ | |||
| Yes/No | はい/いいえ | |||
| Yes/No | はい/いいえ |
手順は次の4つです
- Yes(今は捨てる)の行を「やらない/あとで」列に移す(捨てた記録を残す)
- No(Must)が複数なら、今週いちばん前に進む1本だけ「今週のMust=はい」にする
- その1本だけ、次の一手を1行書く(画面名・ファイル名・話す相手など、具体的に)
- 他のMustは「あとで」に置き、今週は触らない
Shape Up では、企画書に「No-gos(意図的にやらないこと)」の欄を設け、時間に収めるために外す機能や使い方を先に書きます。
Linear は、今週や今月に前へ進むものを優先し、「今やるべきか、後でよいか」を問う、と書きます。
ソロでは、やらないリストが No-gos の受け皿です。「永久に捨てた」と書く必要はありません。「今週はやらない/あとで」で十分です。
| 条件 | 行動 |
|---|---|
| Mustが3つ残った | 今週の「はい」は1つ。残り2つはあとで |
| やらないリストが空のまま | 本当に全部コアか、判定し直す(たいてい Yes が混ざっている) |
| 次の一手が「整える」だけ | 成果物の形(画面1つ・文言1行など)に書き直す |
| 仕分けたのに手が付かない | 型の名指しに戻り、完璧待ちになっていないか確かめる |
止まった週に必要なのは、「完璧な設計図」より「今週触らないものを書いた紙」のほうです。紙があるだけで、頭のノイズが減ります。
Tomoya仕分けが終わったら、やらないリストに移せた候補の数を数えてみてください。
0個なら、判定がまだ甘いサインです。
この表を、毎週の頭に「今週やる/保留/やらない」を決める習慣にしたいなら、週次のチェックリストへ進んでください。

ここで迷いやすい点
迷いやすいのは、「切ったら品質が落ちる」という感覚です。
Shape Up は、スコープを削ることは品質を下げることではない、と書きます。コードや文言を雑にする話ではなく、「どれを今やるか」を選ぶ話です。理想の完璧な形を目指すとたどり着けないので、いまの現状と比べて止めどころを決めます。
もう1つは、「捨てる」と「今週はやらない」を混同しないことです。
退避は否定ではありません。
Linear も、ベータ版は Google ログインだけで始め、メールなど他のログイン方法は「いずれ必要」と分かっていても後回しにした、と書いています。ソロも同じで、今前に進まない候補は「あとで」に置いてよいです。
止まる原因が「構想そのものが大きすぎる」ことなら、切り捨ての前に、構想を小さな仮説1つに絞るところから始めても構いません。
まとめと次の行動
- 止まったら、まず型を名指し(機能過多/完璧待ち/削る基準なし)
- 基準は「無くてもコアの一本道が通るか」。通るなら今は捨てる
- 捨てたものは、やらないリストへ退避。永久破棄ではない
- 今週進めるのは、残ったMustの1本だけ
- 削るのはやる範囲で、品質ではない
次の行動は2つです。
Go1:止まりの型を1つノートに書き、候補表に「無くてもコアは通るか」を付ける。
Go2:Yes をやらないリストへ移し、今週のMust1本の次の一手を今日やる。
最初のユーザーに使ってもらい、課金まで進む段階に来たら、手順は別記事にまとめています。

※本記事は、Basecamp の Shape Up と Linear Method を参考にしています。「何から切るか」の横断の公式はないため、手順は両者をソロ向けに組み合わせたものです。

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